2009/08/02(日) [ IT・Web | business ]
只今人気急上昇中のTwitterですが、このサービスをマーケティングやらブランディングのツールとして模索している人って結構多いようです。
でも、実際に日本ではそういったツールとしてTwitterを活用できるんでしょうか?その辺のことを、最近チラホラとTwitterをいじっている私が、その感想でも述べてみようかと。
ぱっと考えたところ、現在のTwitterがビジネス・ツールとして機能させるために抱える問題点は、大きく分けると3つほどあります。1つは、その規模の内容。2つめは、コンテンツの価値を高めづらいTwitterの特性。そして3つめは、その人気の耐性です。
規模の問題
まずは規模の問題。現在日本におけるTwitterのサイト訪問者は78万人とも言われ、100万人を超えるかの勢いです。が、現在のこの規模でマーケティングを行なおうとする場合、正直分母が少な過ぎです。「十分通用する数じゃね?」とか思う人もいるかもしれませんが、例えば78万人規模の都市を1つ抽出するのと違って、その規模の構成内容に大きな偏りが見られます。現在のTwitter利用者が、多くの市場で想定される平均的な層とは言い切れないわけです。
だって、現在のTwitterの利用者層は、アーリーアダプターからアーリーマジョリティーへの過渡期と考えられますから、比較的技術的なものに早めに飛びつく層で占められているわけです。少なからずとも平均的な対象者よりもその行動性向が若干ずれています。モバイルでTwitterとかいった場合、iPhoneで盛り上がったりするわけでしょ。でも、一般的なケータイ・ユーザーがiPhone持ってる比率は少ないですって。
こういった点を踏まえれば、現在のTwitterの利用者をビジネスにおけるターゲットにしようとする場合、そのコンセプトに合致するビジネスは限られてくるわけです。大方のビジネスがTwitterをマーケティング・ツールとして機能させるためには、キャズムを超えて一般的な普及へとタッチするまでを待たねばならないことになります。
コンテンツの価値を高めづらいTwitterの特性
あるインフラやサービスを用いてマーケティングを行なったり、ブランディングを試みる際に、最も大きな課題は自己のコンテンツ利用者を増やさなければいけないということです。人が集まらなければ売れませんし、また集めることが出来なければブランディングの意味もありません。なので、Twitterにおいては、フォロー数を増やす必要があります。
では、どうやって増やすのか?例えば、こちら側からフォローしまくって、それに返答するかのようにフォローを返してもらうことで増やすと言うやり方があるでしょう。また、フォローしてくれた人に何らかの特典を与えることでフォロー数の増加を試みることも出来るかもしれません。
しかし、その様なフォロー増加は、結果として実体が薄い、つまり数は集まっても実際にtweetに目を通してくれる可能性は非常に低いわけです。もっと能動的・積極的なフォロワーを増やす必要があります。
そのためにはまず、自己のコンテンツの価値を高める必要があります。ブログにしろSNSでコミュニティーを作るにしろ、そのコンテンツの価値が低ければ、人は集まりませんし、信頼も共感も得られません。ですから、ビジネス・ツールとしてTwitterを用いるのであれば、自らのアカウント内でのコンテンツの利用価値を高めなくちゃいけないわけです。
ところがTwitterはその特性上、情報価値を高めづらい位置にあると言えます。これに対しては、2つの方向性から考えられるんじゃないかと。1つは、よく言われる情報の流動性。そしてもう1つは、しょせん「つぶやき」だということです。
情報の流動性
まず1つは、情報の流動性です。Twitterの情報は、いわば電光掲示板で流れるニュースの様なものです。リアルタイムで情報が流れていく様を目の当たりに出来るという利点がありますが、情報をストックし整理しつつ使うことにはむいていません。フロー型の情報サービスと捉えた方が良いでしょう。
となると、Twitterで自己コンテンツの利用価値を高めようとする場合、この流動性が長所となるケースと短所となるケースが出てくるわけです。
長所となるケースは、ニュースサイトなどがTwitterを利用する場合。先の例えの通り、Twitterの情報は電光掲示板に流れるニュースの様なものですから、速報性を必要とするニュースサイトなどは、Twitterを利用する価値が大いにあるわけです。
しかし、その逆に流動性が仇となるケースもあります。例えば、そうですね、う~んと・・・じゃあスキンケア。スキンケアのメーカーにしろ販売店にしろ、Twitterでそのコンテンツの利用価値を高めるためには、顧客にとって有用な価値ある情報を提供し続けなければいけません。ところが、スキンケアというジャンルに絞ってみると、そう簡単に新着ニュースは現れません。ニュースがなければ流せない。新商品の紹介やセールなどの新情報をたまに提供しても、フォロワーがその瞬間もしくはある程度の時間範囲内でTwitterを利用していなければ、その情報を見せることは難しくなってきます。相手の利用頻度が低ければ、その情報に出くわすことは稀になりますし、逆にヘビーユーザーになればなるほど、フォローしている数が増えるため大量な情報の中から相手の目を留まらせる情報を提供していくことは難しくなっていくわけです。
では、ニュースを流す頻度が低いジャンルのビジネスは、コンテンツの価値を高めるために他にどんな情報を利用者に提供するのでしょうか?多くの場合、それは成分などの基礎知識をコンテンツに載せることだったり商品の有益な使い方を提供することだったりします。しかし、こういった情報はストックされなければ意味がありません。コンテンツ内部からいつでも引き出しやすい状況で情報が置かれていなければ、意味がないわけです。しかしTwitterで流される情報は、次から次へと過去のものとして遠くへと流れ去っていきます。お気に入りの機能もあることはありますが、Twitterがその情報をストックしたり整理したり検索で引っ張り出していくことは、他のサービスに比べ不向きであることは事実でしょう。
ですから、情報の流動性という特徴を上手く利用できないジャンルのビジネスからすれば、Twitterをツールとして選択する理由が見当たりません。
しかし、もっと大きな問題点は、流動性よりも「つぶやき」という形態にあるんじゃないかと。
情報価値を求めない「つぶやき」という現実
Twitterは1つの記事を140文字という少ない文字情報で提供します。しかも、タイトルがつけられないし、カテゴリ分けも出来ない。この制限下において、1単位の小さい情報をコンセプトから外れることなく、しかも利用価値の高い形で次々と提供できる企業や人が一体どれくらい存在するんでしょうか?
もし、それくらいの力量があるのであれば、Twitterなどではなく、もっと別な形で直接大きな収益を手にすることが可能でしょうから、その様な人がTwitterから去っていくのは自然の理です。
しかも、情報の受け手自体が、高い情報価値をわずか140文字以内の言葉に求めていないとも考えられます。そもそも雑談程度の会話がリアルタイムで感じられ共有できたらそれで良いと思っている人が、Twitterを楽しんでいるわけですから。しょせん、つぶやきは「つぶやき」なんです。
で、このことはむしろマーケティング・ツールとしてではなく、ブランディング・ツールとして致命的です。「つぶやき」がニュース速報やリンクを貼った広告として活用はできても、それ以上の価値を形成できないのであれば、自社や自己のブランディングには、全く役に立ちません。1つのコンセプトに基づいて「つぶやき」し続けることが非常に難しく、しかも1つのつぶやきに情報価値を濃縮しづらい状況において、一体どうやってブランドを構築しろというのでしょうか?単なる雑談+αでブランディングが出来るほど、ビジネスは甘くありません。
いやね。でも、ブランディング出来るケースはあるんですよ。しかしそれは、ブランドの構築というよりは、ブランドの強化としての側面です。
ブランドを強化できるTwitterの威力
例えば、「おはよう」。このつぶやきにたいした情報価値はありません。
でも、本当でしょうか?
実は、「情報」というものは、その情報そのものだけに価値が存在するわけじゃありません。情報の背景にある属性、例えば誰がその情報を発信したか?という情報発信者によって、情報の価値は変わってくるわけです。
例えば、「おはよう」。このつぶやきが、全くの見ず知らずであり興味のない人のつぶやきとしてWeb上に現れた場合、それは雑音にしかならないのかもしれません。しかし、その「おはよう」が友達だったとしたら?「あ。アイツ、今起きたな」といった具合にイメージが沸いてきますし、感情に多少の揺れが生まれるはずです。
では、この「おはよう」が有名人、例えば憧れのタレントさんだったりしたらどうでしょうか?普段は知るところのない有名人の言葉を、リアルタイムで目の前のWebで接することが出来るわけです。情報の受け手にとって、それは大きな意味を持ちます。遠い憧れの存在だったはずの相手が身近に感じられるだけじゃなく、今この瞬間を共有しているという特別な感情すら喚起しかねません。ましてや自分が思い切ってこのタレントに「 おはよう。今日も元気で頑張ってください」とRepleyしてみることも可能ですし、ましてやその返事が返ってくるとしたら・・・
もうお分かりの通り、既に特定の分野もしくは情報受信者の心理的な面において一定のステイタスを確立している会社や人などは、単なるつぶやきが情報の受け手にとって大きな意味を持たせることが可能になるわけです。つまりTwitterは、既に構築されているブランドを更に強化させる可能性を大きく秘めていると言えます。
もちろん、タレントなど有名人・著名人の日常を垣間見るには、ブログでも可能でしょう。しかし、ブログはTwitterの様にライブ感覚でその言葉を受け手に与えることは難しい。しかも、Twitterでは単独の発言だけでなく、他者との会話すらリアルタイムで第三者に見せることが可能になるわけです。今まで知られることのなかった意外な横顔をファンをはじめとする様々な人々に披露できるということは、Twitterならではと言えるはずです。
さらにもう1つ加えるならば、Twitterの「つぶやき」という特性から、情報受信者に対して発信者は、接触頻度を増やすことが可能だという長所が挙げられます。マーケティングにおいて、顧客との接触回数を増やすことが売上促進につながるということは既に周知の事実です。Twitterにとってみれば、まさにその利点を活かせるサービスを提供していると言えます。
この様にTwitterの持つ「つぶやき」という特性は、ある程度ステイタスを確立した会社や人にとってみれば、革新的なサービスであるといっても過言ではありません。もちろん、使い方を誤れば、毒にもなるということは言うまでもありませんが。
また、有名人・著名人でなくとも、自己ブランドを強化する方法も考えられないわけでもありません。ただし、Twitterによるブランドの構築そのものは難しいわけですから、既存媒体からTwitterへの誘導、つまり
ブログの閲覧者・メルマガの読者・商品の購入者 → Twitterのフォロワー
という流れを組むことで、他の媒体で構築したブランドを強化することは可能なのかもしれません。
危険な人気の耐性
ただ、3つめの問題点として、人気の耐性というものが考えられます。耐性というのはこの場合、一端おきた熱がどこまで維持できるかということです。そして、Twitterには熱しやすく冷めやすいという特性が備わっているんじゃないか?というのが、正直な私の感想です。
Twitterにおける面白さは流動的な情報をリアルタイムで共有することですから、ある意味流行は起こりやすいのかもしれません。しかし、それは流動性のもとで直ぐに過去のものとなることの裏返しとも言えるんじゃないかと。熱もあっという間に冷めてしまうという危険性が高いように感じます。もちろんこれは、あくまで私がそう感じている範囲であって、実証して見せたわけじゃありません。今後ふぁぼったーなどで示されるワードの移り変わりの激しさがそれを裏付ける結果となるかもしれませんが、私はそんな計測、面倒くさくてやってらんねーということが前提の個人的な感想です。
しかし、想定した様にTwitter内で起きた流行りが非常に短い一過性のものであれば、ビジネスとしてそこに乗っかることが難しいばかりでなく、自力で起こした流行さえ捉えるタイミングを逃してしまう可能性が大きいということです。これは、マーケティング・ツールとしては非常に厳しい状況です。
また、先ほど述べた接触回数の多さというのは、長所の裏側で非常に大きな問題を抱えています。それは、「飽きる」ということ。最初のうちは良いのですが、それが繰り返されるごとに人はその対象に対して飽きていきます。珍しくもなんともなくなり、コモディティ化していきます。日常化してしまえば、次第に気に留められなくなっていきますから、逆にブランドの価値を低めてしまう結果も考えられるわけです。
さらに、Twitterというサービス自体の熱が、どれほど維持できるのかという問題があります。サービスには、その時代において様々な盛隆がありますから。Twitterが流行っているからと言って、それがいつまでも続くとは限りません。
ましてや、他のビジネス・ツールに比べると、Twitterの人気は長くないんじゃないかとも言える状況だって考えられます。例えば、同じ盛隆の中にあっても、メール・マーケティングはその性質がブッシュ型であるという強力なマーケティング・ツールですし、メールそのものがネット利用者にとってスタンダードとなっているため、一時の勢いはないにしろ、廃れるまでには至っていません。しかし、コンテンツがしょせん「つぶやき」であり、コミュニティーとしてのつながりも「ゆるい」ことを特徴としてもつTwitterが、どこまでこの盛り上がりを維持できるかと言えば、大きな不安は隠し切れないはずです。
この様に利用者の熱が冷めてしまった場合、その被害を最小限に食い止めるには、Twitterにおける自己の着地点と引き際を、予め設定しておく必要があるんじゃないでしょうか。
とまあ、以上が1ヶ月程度しかTwitterをいじったことのない私の感想です。問題提起が多いように思えますが、別にだからと言ってTwitterのマーケティング・ツール、ブランディング・ツールとしての可能性を否定する話じゃありません。まだ気づかない可能性や問題点は、これからも出てくるでしょうし、それを乗り越えることがある意味ビジネスそのものとも言えるわけですから。
今から参入しておいて上手くいけば先行者組に入りますし、仮に上手くいかなくともTwitterにかける投資費用など微々たるものでしょうから、試験的な意味合いも含めて早期参入のリスクはかなり少ない様に思います。「ビジネス・ツールとしては使えねーよ」とか言って切り捨てるよりは、その模索する姿勢を高く評価するべきだと思いますけどね。
ps:
ちなみに、自分のつぶやきをフォローしてくれている人のことをフォロワーと呼ぶかどうかは定かではありませんが、ここではそういった意味で使っています。
post by ノリユキ at 17:20 | Comments/Trackbacks(0)
2009/07/19(日) [ IT・Web | entertainment ]
ここしばらくの間、首から背中にかけて痛みが走りっぱなしなので、安静をとって出来るだけパソコンとかをいじらない様にしてましたが、今日はちょっとだけ楽ちんなので、久々に更新。
で、しょこたん☆ぶろぐが先日、アメブロに移転しました。エキサイトの「ファンサービス」のサービス停止に伴いお引越しだそうです。
しかし、アメブロの有名人ブログ・ランキングでマトモに競いもしないうちから、既に殿堂入りとは、さすがしょこたんです。しょこたんのあの大量のエントリーに、アメブロの水増しPVが加わってしまうと、天文学数字なPVが叩き出されてしまい、どんなタレントブログも太刀打ちできないということなんでしょうか?きっとそう。そんな気がする。
ところで、アメブロの有名人ブログ・ランキングでは、並みいる芸能人を抑え、「あいのり」のやまじと桃が10位以内にランクインしてるところが、素敵です。なんか首の辺りがこそばゆいと言うか。もちろん、そうは言いつつも、ちゃっかり彼女らのブログをチェックしてしまった私も、素敵ですが。
ちなみに、しょこたんもTwitterをはじめたそうですが、毎日大量に更新されるブログとの兼ね合いはどうするつもりなんだろ?と思って、しょこたんのTwitter覗いてみたら、単にブログの更新情報をtwitterfeedで飛ばしてるだけでした。ちょっと期待はずれ。今後に期待。
post by ノリユキ at 18:21 | Comments/Trackbacks(0)
2009/07/13(月) [ politics ]
私も昨日、妻と一緒に都議選に投票して来ました。しばらく前に引っ越したんですが、近所なので投票会場は以前と同じ小学校だと思い行ったところ、「小林さんの投票会場は、ここではありません」と言われてしまいました。しかたなく、別の会場へと・・・
しかし、想像してた以上でした、都議選の結果は。しかも、投票率も50%超えてるし。もちろん「都政と国政は違う!」とか言いますし、その通りですけど、じゃあ都議選で自民が負けなかったら、「自民党は国民から支持されている」という判断しちゃうわけでしょ、自民は。だから、都民からすれば国政が変わって欲しいと思ったら、やっぱり都議選である程度意思表示を示したくなるわけで。
もう、自民党がどうだとか民主党がどうだとか言う前に、とにかく変わって欲しいんでしょうね。とにかく何かしら政治に変わって欲しいと思ってる人は、民主党に期待していない人でも、とりあえず自民党には入れたくないって思うわけでしょうし、とりあえず民主党に政権担当させちゃえば、何かしら変わるんだろうし、自民党も変わるだろうと思ってるんじゃないかと。少なくとも私の周りではそんな意見ばっか。
とりあえず、この結果を受けて麻生さんは衆議院解散、8月30日に総選挙という判断を下したようです。遅すぎの感もしますが。
まあ私の様な無党派層は、その時の状況でどう転ぶか分かりませんし、そういう人は結構多いんで、民主党もぬか喜びせずに頑張ってください。もちろん、自民党も他の政党さんも。
post by ノリユキ at 23:12 | Comments/Trackbacks(0)
2009/07/08(水) [ IT・Web ]
そんな話が、数日前にチラホラと。WC3が方針を発表しました。ちょっと前までは、HTMLはもう終わりでこれからはXHTMLみたいな話も吹聴されてたと思いましたが、右往左往しながら結局はHTML5へと統合するそうです。
私は今後のXHTMLの扱いがどうなるのか、ちょっとハッキリ掴めてないんですが、この辺のことを掘り下げて書いた記事を今のところ私は見かけてないんで、みんな首かしげながら動向探ってるのかな?
検索エンジンなどによる今後のXHTMLの扱い次第では、Web製作の立場からすれば、SEOの面で大変な作業が待ち構えてるんでしょうし、CMSも仕様はどーすんだろ?と気になるところです。いずれにせよ、いち早く順応することが、ステータスをを確立するきっかけにはなるんでしょうね。
ということで、とりあえずメモ的にこれでも。
HTML 5の仕様が一覧できるクィックリファレンス | コリス
post by ノリユキ at 00:49 | Comments/Trackbacks(0)
2009/07/07(火) [ business ]
出版業界も大変なんでしょうね。
出版8社が「責任販売制」を導入 懸案の返品率抑制に期待 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
従来の委託販売制から抜け出そうという動きが最近加速化してます。小学館は既に去年の終わりごろに一部に手をつけ、講談社も責任販売制を取り入れていく予定ですが、今度は大手じゃなくて中堅どころ8社が共同で責任販売制の導入に踏み切ったようで。
まあ、流通改変と言っても、出版社側の主導で行なわれている様ですし、メリットばかりが強調されてますが、今の枠組みを変えて行くって、結構な冒険かと。書店側は。
基本的に、出版社側は書店側のマージンをアップさせるわけですが、今までの返品受け取りに必要だった経費分が浮くわけですから、それほど大きな痛手を食らうとは思えません。逆に言えば出版社側は、今までよりも無駄なコストの発生を圧縮できるわけですから、本の売れない時代からすれば、メリットは大きいのかも。
けど、書店側は結構勝手が違うわけで。確かにマージンの比率は高くなりますけど、そもそも今までは売れないやつは返品すれば良かっただけのものを、今度は仕入れた分を自分らで採算を合わさなくちゃいけなくなります。しかし、書店側にそういったノウハウはない。今までやってこなかったんだから、そういったノウハウが蓄積されているわけがないのは当然で、結構厳しい環境におかれるんじゃないかと。
私は面倒なので出版社側が提示している責任販売制の中身は見てないのですが、内容によっては、とうとう書籍の値下げ販売が可能になるわけです。ノウハウの乏しい書店は、今後売れる可能性の乏しい在庫を大量に抱える可能性も出てきますが、そうなったら値引きによる在庫放出が始まりますし、値引き合戦に火をつける可能性だってあるわけです。
要するに、今までやってきた委託販売制から責任販売制になることで、流通が他業界と同じ状況に置かれるようになっただけの話ですが。ただ、他業界で当たり前の様に起こっていた波を、本屋さんが被るのは初体験ですから、面食らうでしょうねぇ。
そうなると、もう恒例のごとく大手書店の販売戦略に中小の書店はついていけずに・・・う~ん、大変だ。
消費者側にも改変によるメリットとデメリットが考えられます。メリットは、安く本を入手できる可能性が広がるということ(注:後述)。デメリットは、在庫を抱えることがリスクとなった書店では、売れるものをガンガン売り、売れないものは仕入れない、もしくは後回しにされる傾向が出てくるということ。つまり、流行に流されやすい体質が顕著になっていくわけです。
委託販売制ってデメリットもありますが、知的財産が商業主義の波にさらわれないための防波堤の役目も果たしていたわけですから、この辺の問題は消費者にも大きく影響してくるのかも。
そうなると、それこそ情報格差が出てくるのかもね。貴重な情報は、賢い人間しか気づかないようなところにしか置かれていない状況ね。頭を使わないと、目の前にある薄っぺらな部分しかかじれなくなるかも。まあ、今までもそうだったと言えばそうなのかもですけど、これからはそれを加速させていく可能性が大しょうね。
ただ、やっぱり気になるのは、大手出版3社と大日本印刷がブックオフの大株主になったってこと。出資比率が全体の31%を占めるそうです。これ、さっき(注)を付けた「メリットは、安く本を入手できる可能性が広がるということ」にかかってくるわけで。
つまり、責任販売制となると今まで安売りをしなかった書籍が書店によって安く売られるようになるわけで、こういったときにブックオフの様な大手中古書籍販売店の存在が無視できなくなってきます。書店による新刊の安売り価格と古本屋の中古書籍の価格の差の問題。この辺りを調整していく必要性が今後出てくるのかな。だから、大手出版社と大日本印刷は、ブックオフに触手を伸ばしたわけでしょ。
大金積んでブックオフの出資者になったんだから、潰す気はさらさらないでしょう。が、このブックオフの件に関して言えば、新たに出版業界が再編を迎えるにあたっての利害調整の必要性を見越しての行動なのかな、と思えてしまうわけです。関係者からすれば、ちょっと目を離せない状況かも。
post by ノリユキ at 02:02 | Comments/Trackbacks(0)
2009/07/04(土) [ politics ]
【マイケル急死】オバマ米大統領が追悼コメント 「私のiPodには今も全曲入っている」 - MSN産経ニュース
一国の大統領が、個別商品名を挙げてコメントして良いものかと一瞬思ったが、アメリカじゃ自国の家電製品は日本などの国に駆逐されているから、数少ない国内メーカーの電化製品だから宣伝効果があるし良いのか、と思い直した。
いや、ただそれだけが言いたかっただけ。
post by ノリユキ at 12:03 | Comments/Trackbacks(0)
2009/06/29(月) [ IT・Web ]
灯台下暗し。ま、そういうこともあるさ。

ちなみにYahoo!Japanに、抜け目はない様です。
post by ノリユキ at 22:33 | Comments/Trackbacks(0)
2009/06/23(火) [ business ]
この手の問題に公正取引委員会が入ってくることってあまりないとの認識でしたが、割って入ってきたと言うことは、何かしら強制力に不当性があったのかもしれません。
asahi.com(朝日新聞社):セブンイレブンに排除命令 公取委、値引き制限「不当」 - 食と料理
約1万2千店舗を抱えるコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンの本部(東京)が、販売期限の迫った弁当などを値引きして売った加盟店に値引きをしないよう強制していたとして、公正取引委員会は22日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で同社に排除措置命令を出した。
デイリー品の値引きを避けたいセブンイレブン本部側と、もったいないので値引きしたい加盟店との対立構造。まあ、いつものごとく両者には言い分があるわけで。
加盟店側としては、販売期限の迫った商品を単に廃棄するのはもったいないと思うのは、当然です。仕入れたものを廃棄しても、その原価は店側の負担ですし、廃棄のお金も店側の負担。どうせ捨てるなら、値引きして売っちゃった方が良いと思うのは、おかしくない。
でも、本部からすれば、それは困る。
1つは、自社グループに大手スーパーのイトーヨーカドーがあるということ。期限間近の商品を値下するなどスーパーの販売方法と同じ手法をコンビニでやられちゃ、グループ内で競合が発生してしまう可能性が出てくるわけです。出来ればスーパーとコンビにでは商戦を別に構えたいところ。
2つ目は、ブランドやマーケティング戦略が崩れてしまう可能性への危惧。安易な値引きをすると、一時的には良くても長期的に見た場合、収益悪化を招く可能性が出てきます。スーパーの様な大型店は薄利多売が可能ですが、コンビニの様にある程度規模が限られた店では、値引きをしていく戦略って、非常に難しいわけで。コンビにってスーパーみたいにカゴ一杯にして大量買いするお店じゃないですから、客単価が相対的に低いわけですし。そんな中で、コンビニに「値引き」とか「安い」というイメージが消費者の中で定着しちゃうと、すごい厄介。安物買い目当てで来店する顧客が増えると、ジワリジワリと収益を圧迫していきます。さらには、値引き合戦に巻き込まれかねません。
ブランドの構築って、ある意味、目の前にある美味しいところに手を出すのをガマンすることで、築きあげていくわけ。やるべきこととやっちゃいけないことを区別し、それを実行し続けることで、顧客にブランドのイメージを定着させ、確たる収益に結び付けていきます。
なので、安易な値引きを懸念してしまうのは、何もセブンイレブン本部に限った話じゃなく、マーケティングをかじった程度の人でも分かる話です。
そもそもフランチャイズ加盟店は、単にセブンイレブンの流通システムを利用したいだけじゃなく、「セブンイレブン」というブランドや経営戦略に乗っかりたいという意図もあったはずで、事実は知らないけど普通はそういった値引きうんぬんの話って、加盟するときに理解してるんじゃないんですかね?個々の場当たり的な判断は、逆に失敗に帰結する可能性を秘めていると認識しておくべきじゃないかと。
もちろん、こういったことは一概には言えません。デイリー品を廃棄期限間近に値引きしたからといって、本来のコンビニの来店目的が揺らぐとは限りませんから、その影響によるマイナス効果よりも、プラス効果の方が上回ることだって考えられます。
なので、本部も加盟店も対立構造のまま値引きするしないを決定するのではなく、もっと歩み寄って精査する必要があるんじゃないかと。値引きするモデル店をいくつか設定して、その効果の具合を測定してみて、その結果から踏み出すか踏みとどまるかを決めれば良いんじゃないですかね。テスト結果が悪ければ、加盟店だって値引きをしたいとは思わないでしょうし、結果が良ければ、それは本部だって大いに喜ぶべきことです。
本来が利益共同体なんですから、もう少し別な形で歩んでみるのも手かと。
post by ノリユキ at 10:23 | Comments/Trackbacks(0)
2009/06/21(日) [ politics ]
鳩山前総務大臣の辞任によって、再び支持率低下が顕著になった麻生政権。麻生おろしが本格化との報道で華が咲いています。私の個人的な感情で言えば、報道で見る限り鳩山前大臣の心情を察すると、胸がキリキリと痛みます。鳩山前相からしてみれば、裏切られた感は残るでしょうし、まさか自分にお鉢が回ってくるとは思わなかったでしょうに。
ちょっと前に、小泉元首相が麻生さんに対して怒りを顕わにしたことがありました。郵政民営化に対して、「そもそも私は反対だった」と言った麻生さんの一連の出来事に対してです。日本郵政の「かんぽの宿」不当売却で郵政民営化の旗色が悪くなると、当時の担当大臣であった麻生さんは「ホントは反対だった」と言い「担当は私じゃなかった」的な発言をし、しかし総裁選の時には郵政民営化の立役者は俺だ的な発言をしていたわけで。これに対して、郵政民営化を本丸として進め、その改革の一角に麻生さんを据えた小泉元首相は怒っちゃったわけです。んで、さらに火に油を注いだのは、国会での質問に対し麻生さんは小泉元首相を「変人」呼ぶ始末。
世論の中では、「もう辞める小泉さんが今さら口を出すのは、ちょっとね」という論もありましたが、小泉元首相本人からすればやっぱ黙ってられないでしょ。この一連の出来事に対する麻生さんの発言は、ほぼ自己責任回避から成立しているわけで、そのために他者や他事をさげすむことにつながる発言を繰り返しているわけです。私が小泉元首相なら黙ってられません。むしろ小泉元首相は、途中から「もう辞める人間だから」と言ってよく口をつぐめたもんだと。
んで、国民から人気のある小泉元首相を敵にまわした形になった麻生政権って、さらに旗色が悪くなるわけですが、この時にそれを省みずに麻生さんを応援し続けたのが今回辞任した鳩山前総務大臣なわけです。彼からすれば、それがポリシーだったんでしょうし、かばうことも矢面に立つことも、自分の役目くらいに思ってたのかもしれません。
ところが今度は、鳩山前大臣が小泉元首相の時と同じことをされちゃったわけです。
麻生さんから日本郵政の社長の首を挿げ替える話は出ていたし、それと自分の信条に沿って、行動を進めていた。ところが党内での旗色が悪くなると、鳩山前大臣が行くところまで行っちゃった後から「ちょっと待て、引き返せ」とか言い出されたわけで。そんなことギリギリになって言われても、もう後戻りは出来ねーよってのが普通の人の心情です。
しかも、混乱を招いた張本人的な扱いを総理からされちゃったわけです、鳩山前大臣は。まあ、裏切られた感は残るわな。
これって小泉元首相の時のパターンとほとんど同じです。そして正直痛いです。痛すぎます。風見鶏と言うか自己責任回避と言うか、そういったことが根底にあってリーダーが発言を繰り返していくのって、組織としては致命傷です。
麻生さんがきちんと上に立つものとして対処していれば、鳩山前大臣の件にしても、辞任にまで問題が大きくならずに済んだはずです。当初、麻生さんと鳩山さんは同じ意見を共有していて、それに対して鳩山さんは行動を進めていったわけで、風向きがどうやら違っていそうであれば、麻生さんは「ちょっとその辺でストップ」と言えたはずです。その制止を振り切って鳩山さんが前に進むのであれば、それは彼の独自の判断であり暴走ですから、鳩山さん自身の責任問題なわけです。
でも、それをしなかった。騒ぎが続いていても、麻生さんは何もしない。指示の変更が伝えられなければ、鳩山さんは麻生さんとの意見の共有は変わっていないと判断するわけで、それに従って突き進む。と、当然の流れになってしまいます。普通、そうでしょ。会社で上司から指示があって、様相が変わっても当初の通り業務を遂行するする自分に上司が何も言わなければ、自分の行動は肯定されているもしくは容認されていると、誰だって判断するでしょ。
ところが、ギリギリのところになってから、「ちょっと待った。予定変更」とか言われちゃうんですよ。そしてその後に騒ぎを起こした張本人的なこと言われちゃうんですよ。堪えられますか?
やはり俗に言われる麻生さんの「決められない、ぶれる」というのは、組織にとって致命傷。最良のパートナーや最大のフォロワーを失うことに繋がっていきますから。そして組織そのものに不信感と不安感と言う混乱を招く。
今、この騒ぎに対して細田幹事長は党内に自制を求める様な発言をしています。立場からすれば、確かにそうすべきです。しかし、鳩山さんの次は自分かもとか思わないのかな。
ただ、勘違いして欲しくないのは、何も私は麻生さんを責めたくて言ってるわけじゃなく、麻生さんの抱える状況でリーダーの立場になると、誰でもこうなりがちになるんじゃないかと言ってます。党内での支持基盤が薄く、国民の支持率も低ければ、寄って立つところがないわけで、こういった場合には、どうしても風見鶏的なところと責任回避的な行動にならざるを得ないのが、人ですから。
逆にこうった状況下でリーダーになるのであれば、麻生さんの様なタイプではなく世渡り上手な人がリーダーシップをとったほうが、上手くいきそう。判断と行動に一貫性はなくとも、逆に状況に応じた判断と行動は人一倍早いわけですから。リーダーシップ論も組織的な環境を無視しては成立し得ないという好例かと。
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2009/06/16(火) [ economy ]
日経平均は今日、10,000円を割り込み終値は9,752.88 円。まあ、案の定と言うべきか・・・
今年に入ってからの株価の戻りはちょっと急過ぎ。100年に1度の経済不況とか言ってる割に、ホントにこのペースで戻るんならこの経済不況なんてたいしたことねーじゃん位の勢いです。
もちろん景気の底入れ期待感を織り込んでの今までの株価上昇でしょうけど、正直なところ、そんなこと言われても体感として伝わってこないのが、現実に巷で働いている人の実感です。
だから単純に株価が上がって手放しで喜んでる人ってそれほど多くないんじゃないですかね。具体性乏しく急上昇してみても、それは逆に警戒感につながっていきますから。
おまけに今日はガクンと円高進んでるわけで。なんだか再び円高基調に入ったような雰囲気醸し出してるし。わからんけど。
まあ、ロングもショートも思いっきり突っ込めない株式市場ですけど、生暖かく見守りつつ、そろそろ風呂でも入って寝酒でもひっかけるとしましょうかね。
post by ノリユキ at 23:52 | Comments/Trackbacks(0)
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