FXが規制強化されそうな感じ。じゃあ、レバレッジはどの程度が適切なのか?

なんか、FX関係者ではこの話が波紋を呼んでるみたいです。

FX業者の規制強化へ 金融庁と証券監視委 – MSN産経ニュース

まあFX業者の財務管理体制の強化に関しては、恐らく誰も異論がないんじゃないかと。サブプライムローン問題に端を発した金融ショックで自己売買によって破綻した業者が結構いるみたいですしねぇ。自社の資産と顧客の資産がゴッチャになってる会社もあったらしく、こういったのって経営上かなり問題です。破綻した場合に被る顧客の被害が尋常じゃないですから。きちんとやってもらう必要があります。

で、問題となってるのはレバレッジの方ですかね。現在では最大600倍のレバレッジをかけることの出来る業者もあるそうで、投資家保護の観点からレバレッジの上限を設けることを金融庁は今後検討する可能性がある様です。一部報道によると、このレバレッジの上限は20~30倍程度だとか。

これ、結構波紋が広がってるみたいですねぇ。特にFX業者からすれば、高レバレッジによって小額資金からはじめられるというFXの売りを削がれるようなもんですから、今後の経営に大きく影響しそうです。さっそく、こんなアンケートとかやってますし。

FX投資家の9割は規制に反対~クルクる緊急アンケートの回答件数が1000件突破

レバレッジをかけるかけないって言うのは、金融商品としての魅力の問題で、ボラティリティや単位当たりの金額によって変わってきます。ボラが小さければ、投機的な意味において魅力がないので、レバレッジを大きくすることで商品価値を高めるわけです。まあ、リターンが大きくなる反面、損害額もレバレッジに比例して大きくなるわけで、この点が問題されてるんだと思います。

じゃあ、レバレッジの上限規制が、どの程度投資家の保護に繋がるんでしょうか?個人的には、あんまり関係ない様な気もしますが。

今、レバレッジを20~30倍にしようかという数字が挙がってる様ですが、これの根拠って恐らく株式との比較からじゃないかと。株式の信用取引はレバレッジが3倍です。100倍のレバが当たり前のFXからすれば小さいように感じますが、株式のボラは外貨取引に比べかなり大きくて、その辺を考慮すると、株式のレバ3倍はFXの30倍程度に相当するんじゃないかと言われてます。恐らくこの辺がFXのレバ上限の根拠になってくるんじゃないかと。

でも、株式がレバレッジ3倍であっても、大きな損害を被る人間は五万といますし破産する人間だって後を絶たないわけで、FXにレバレッジ上限を与えても、寿命が今までよりもいくらか伸びる程度のことはあっても、根本的に投資家保護にはならないと思いますけどね。

もちろんリスクに関してレバレッジの高低がまったく関係ないかといえばそうではありませんけど、基本的には投資家や投機家自身の資金管理能力の問題であって、きちんとした資金の運用能力のある人にとってみれば、FXのレバレッジってあんまり関係ないんじゃないかと。

通常、資金を運用する場合は、まず自分のスタイルに応じて損失額を想定します。取れるリスクのパーセンテージと絶対金額から1回のトレードに対する損失額を考え、そこから取引額を決めるわけで、その方針が決まったことで始めて自分の取引はレバレッジが何倍になっているかがわかるわけです。つまり、レバレッジが先なんじゃなくて計画が先。そうやっていくと、例えばドル円ベースのボラティリティで考えたら、日掛りなら100倍程度のレバレッジはそれほど大きなリスクにはならないと判断する人は結構いると思います。ま、ポンドだったらキツイとは思いますが。逆にマトモな計画を立てたら、400倍のレバになることなんてまずありませんから、使っている業者ではそれが可能でも、普通の人は滅多にやることはないはず。つまり、レバレッジ自体はリスク管理に対して多少の影響はあるのかもしれませんが、基本的にはリスクからの保護には直接繋がらないわけです。

ただ、問題なのは投資家保護というよりも、初心者保護という点かな。業者さんも業界関係者さんも商売ですから、「FXは簡単ですよ、儲かりますよ。小額資金からはじめられますよ~」なんて具合に、比較的いいことばっかのキャッチコピーを並べます。知識のある人なら惑わされないんでしょうけど、そうでない人達からすれば、何も分からず単なる射幸心だけで高レバレッジでやってしまうかもしれません。そういった意味で初心者保護であれば、レバレッジの上限規制は一定の意味を持つでしょうね。そう考えるとやっぱりレバレッジは、30倍程度が妥当になるのかな。

ただ、それやっちゃうとFX業界関係者は、キツイてしょうねぇ。FXの優位点を1つ失うわけですかねぇ。しかもFXって、スワップポイントとか価格の二重性なんかもありますから、逆に株と比べたら結構ややこしいと感じる人も多いはずです。レバによる効果が実質的には株式と変わらないんじゃ、顧客獲得も今後難しくなっていくでしょうねぇ。

また、金融市場の円滑さから考えたら流動性は高いほうが良いわけで、この規制が外貨取引の流動性にどれくらいの影響を与えるかはわかりませんが、参加者の数も運用資金の額も多い方が流動性が高まるわけですから、そういった点も考慮する必要はあるでしょうね。

まあ、解決策としては、どの業者も自動強制ロスカットを用意しなくちゃダメだとか、証拠金を引き上げするとか、そんな感じかな。他には、投資歴でレバレッジの上限を上げていく様にするとか、投資家の知識を計るために統一したテストを実施するかして、その知識や能力、資産背景なんかの段階に応じてレバレッジの上限を決定していくとかね。そういう風に考えていくしかないんじゃないかと。株式だって現物取引はほとんどの人が始められるのに比べて、信用取引は投資歴があまりなければ口座開設できないわけですし。

いずれにせよ、お役所さんと業者さんは自分らの立場だけを考えるんじゃなくて、ユーザーの意見も踏まえながら、社会全体の影響を考えて判断していただきたいものです。


関連記事

post by ノリユキ at 14:03 | Comments/Trackbacks(0)



COMMENTS/TRACKBACKS

トラックバックURL:

コメントRSS

COMMENT-POST

コメントは管理人の承認後に表示されます。ただし、管理人が不適切であると感じたコメントは承認されません。
なお、コメントに対する管理人からの返答は期待しないで下さい。

管理人にのみ公開されます