麻生おろしと鳩の乱は当然の帰結

鳩山前総務大臣の辞任によって、再び支持率低下が顕著になった麻生政権。麻生おろしが本格化との報道で華が咲いています。私の個人的な感情で言えば、報道で見る限り鳩山前大臣の心情を察すると、胸がキリキリと痛みます。鳩山前相からしてみれば、裏切られた感は残るでしょうし、まさか自分にお鉢が回ってくるとは思わなかったでしょうに。

ちょっと前に、小泉元首相が麻生さんに対して怒りを顕わにしたことがありました。郵政民営化に対して、「そもそも私は反対だった」と言った麻生さんの一連の出来事に対してです。日本郵政の「かんぽの宿」不当売却で郵政民営化の旗色が悪くなると、当時の担当大臣であった麻生さんは「ホントは反対だった」と言い「担当は私じゃなかった」的な発言をし、しかし総裁選の時には郵政民営化の立役者は俺だ的な発言をしていたわけで。これに対して、郵政民営化を本丸として進め、その改革の一角に麻生さんを据えた小泉元首相は怒っちゃったわけです。んで、さらに火に油を注いだのは、国会での質問に対し麻生さんは小泉元首相を「変人」呼ぶ始末。

世論の中では、「もう辞める小泉さんが今さら口を出すのは、ちょっとね」という論もありましたが、小泉元首相本人からすればやっぱ黙ってられないでしょ。この一連の出来事に対する麻生さんの発言は、ほぼ自己責任回避から成立しているわけで、そのために他者や他事をさげすむことにつながる発言を繰り返しているわけです。私が小泉元首相なら黙ってられません。むしろ小泉元首相は、途中から「もう辞める人間だから」と言ってよく口をつぐめたもんだと。

んで、国民から人気のある小泉元首相を敵にまわした形になった麻生政権って、さらに旗色が悪くなるわけですが、この時にそれを省みずに麻生さんを応援し続けたのが今回辞任した鳩山前総務大臣なわけです。彼からすれば、それがポリシーだったんでしょうし、かばうことも矢面に立つことも、自分の役目くらいに思ってたのかもしれません。

ところが今度は、鳩山前大臣が小泉元首相の時と同じことをされちゃったわけです。

麻生さんから日本郵政の社長の首を挿げ替える話は出ていたし、それと自分の信条に沿って、行動を進めていた。ところが党内での旗色が悪くなると、鳩山前大臣が行くところまで行っちゃった後から「ちょっと待て、引き返せ」とか言い出されたわけで。そんなことギリギリになって言われても、もう後戻りは出来ねーよってのが普通の人の心情です。

しかも、混乱を招いた張本人的な扱いを総理からされちゃったわけです、鳩山前大臣は。まあ、裏切られた感は残るわな。

これって小泉元首相の時のパターンとほとんど同じです。そして正直痛いです。痛すぎます。風見鶏と言うか自己責任回避と言うか、そういったことが根底にあってリーダーが発言を繰り返していくのって、組織としては致命傷です。

麻生さんがきちんと上に立つものとして対処していれば、鳩山前大臣の件にしても、辞任にまで問題が大きくならずに済んだはずです。当初、麻生さんと鳩山さんは同じ意見を共有していて、それに対して鳩山さんは行動を進めていったわけで、風向きがどうやら違っていそうであれば、麻生さんは「ちょっとその辺でストップ」と言えたはずです。その制止を振り切って鳩山さんが前に進むのであれば、それは彼の独自の判断であり暴走ですから、鳩山さん自身の責任問題なわけです。

でも、それをしなかった。騒ぎが続いていても、麻生さんは何もしない。指示の変更が伝えられなければ、鳩山さんは麻生さんとの意見の共有は変わっていないと判断するわけで、それに従って突き進む。と、当然の流れになってしまいます。普通、そうでしょ。会社で上司から指示があって、様相が変わっても当初の通り業務を遂行するする自分に上司が何も言わなければ、自分の行動は肯定されているもしくは容認されていると、誰だって判断するでしょ。

ところが、ギリギリのところになってから、「ちょっと待った。予定変更」とか言われちゃうんですよ。そしてその後に騒ぎを起こした張本人的なこと言われちゃうんですよ。堪えられますか?

やはり俗に言われる麻生さんの「決められない、ぶれる」というのは、組織にとって致命傷。最良のパートナーや最大のフォロワーを失うことに繋がっていきますから。そして組織そのものに不信感と不安感と言う混乱を招く。

今、この騒ぎに対して細田幹事長は党内に自制を求める様な発言をしています。立場からすれば、確かにそうすべきです。しかし、鳩山さんの次は自分かもとか思わないのかな。

ただ、勘違いして欲しくないのは、何も私は麻生さんを責めたくて言ってるわけじゃなく、麻生さんの抱える状況でリーダーの立場になると、誰でもこうなりがちになるんじゃないかと言ってます。党内での支持基盤が薄く、国民の支持率も低ければ、寄って立つところがないわけで、こういった場合には、どうしても風見鶏的なところと責任回避的な行動にならざるを得ないのが、人ですから。

逆にこうった状況下でリーダーになるのであれば、麻生さんの様なタイプではなく世渡り上手な人がリーダーシップをとったほうが、上手くいきそう。判断と行動に一貫性はなくとも、逆に状況に応じた判断と行動は人一倍早いわけですから。リーダーシップ論も組織的な環境を無視しては成立し得ないという好例かと。

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post by ノリユキ at 11:33 | Comments/Trackbacks(0)



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