セブンイレブンの値引き制限を考えてみる
この手の問題に公正取引委員会が入ってくることってあまりないとの認識でしたが、割って入ってきたと言うことは、何かしら強制力に不当性があったのかもしれません。
asahi.com(朝日新聞社):セブンイレブンに排除命令 公取委、値引き制限「不当」 - 食と料理
約1万2千店舗を抱えるコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンの本部(東京)が、販売期限の迫った弁当などを値引きして売った加盟店に値引きをしないよう強制していたとして、公正取引委員会は22日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で同社に排除措置命令を出した。
デイリー品の値引きを避けたいセブンイレブン本部側と、もったいないので値引きしたい加盟店との対立構造。まあ、いつものごとく両者には言い分があるわけで。
加盟店側としては、販売期限の迫った商品を単に廃棄するのはもったいないと思うのは、当然です。仕入れたものを廃棄しても、その原価は店側の負担ですし、廃棄のお金も店側の負担。どうせ捨てるなら、値引きして売っちゃった方が良いと思うのは、おかしくない。
でも、本部からすれば、それは困る。
1つは、自社グループに大手スーパーのイトーヨーカドーがあるということ。期限間近の商品を値下するなどスーパーの販売方法と同じ手法をコンビニでやられちゃ、グループ内で競合が発生してしまう可能性が出てくるわけです。出来ればスーパーとコンビにでは商戦を別に構えたいところ。
2つ目は、ブランドやマーケティング戦略が崩れてしまう可能性への危惧。安易な値引きをすると、一時的には良くても長期的に見た場合、収益悪化を招く可能性が出てきます。スーパーの様な大型店は薄利多売が可能ですが、コンビニの様にある程度規模が限られた店では、値引きをしていく戦略って、非常に難しいわけで。コンビにってスーパーみたいにカゴ一杯にして大量買いするお店じゃないですから、客単価が相対的に低いわけですし。そんな中で、コンビニに「値引き」とか「安い」というイメージが消費者の中で定着しちゃうと、すごい厄介。安物買い目当てで来店する顧客が増えると、ジワリジワリと収益を圧迫していきます。さらには、値引き合戦に巻き込まれかねません。
ブランドの構築って、ある意味、目の前にある美味しいところに手を出すのをガマンすることで、築きあげていくわけ。やるべきこととやっちゃいけないことを区別し、それを実行し続けることで、顧客にブランドのイメージを定着させ、確たる収益に結び付けていきます。
なので、安易な値引きを懸念してしまうのは、何もセブンイレブン本部に限った話じゃなく、マーケティングをかじった程度の人でも分かる話です。
そもそもフランチャイズ加盟店は、単にセブンイレブンの流通システムを利用したいだけじゃなく、「セブンイレブン」というブランドや経営戦略に乗っかりたいという意図もあったはずで、事実は知らないけど普通はそういった値引きうんぬんの話って、加盟するときに理解してるんじゃないんですかね?個々の場当たり的な判断は、逆に失敗に帰結する可能性を秘めていると認識しておくべきじゃないかと。
もちろん、こういったことは一概には言えません。デイリー品を廃棄期限間近に値引きしたからといって、本来のコンビニの来店目的が揺らぐとは限りませんから、その影響によるマイナス効果よりも、プラス効果の方が上回ることだって考えられます。
なので、本部も加盟店も対立構造のまま値引きするしないを決定するのではなく、もっと歩み寄って精査する必要があるんじゃないかと。値引きするモデル店をいくつか設定して、その効果の具合を測定してみて、その結果から踏み出すか踏みとどまるかを決めれば良いんじゃないですかね。テスト結果が悪ければ、加盟店だって値引きをしたいとは思わないでしょうし、結果が良ければ、それは本部だって大いに喜ぶべきことです。
本来が利益共同体なんですから、もう少し別な形で歩んでみるのも手かと。
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post by ノリユキ at 10:23 | Comments/Trackbacks(0)
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