草彅の「なぎ」が平仮名表記の報道記事が踊り続けている件について

昨日の午前中から、SMAPの草彅剛が公然わいせつの容疑で逮捕されたという報道で持ちきりです。テレビの速報で流れたときは、正直驚きましたね。テレビで「草彅容疑者が・・・」って報道されると、何だから物々しいというか、凶悪犯罪だとか巨額詐欺事件を犯したかの様なイメージを一瞬感じてしまって振り向いてしまいます。でも、聞けば酔っ払って脱いで騒いじゃったって話で、ちょっとだけ拍子抜け。報道って、怖い怖い。

しかし何よりも驚いているのは、ネットのニュースを見ると草彅の「なぎ」がほぼ平仮名表記の記事ばっかりだということですかね。しかもご丁寧に、『なぎは弓ヘンに「剪」』という注釈まで記事には付いてたりします。MACは知りませんが、Windowsじゃ「草彅」って単純には変換できないみたい。日本を代表するアイドルに対して、マイクロソフトは一体何をやっているんでしょうか?

ところで、有名人というのは大変ですねぇ。確かに法律に触れたと言えばその通りなんでしょうが、その辺の若者なら笑い話で済んでるでしょうし、大人でも普通のサラリーマンなら上司に「バカヤロー」と軽く小突かれて、これまた笑って済ませられる程度の話です。下手すりゃ武勇伝くらいにしちゃう人もいるし。でもタレントさん、ことに超有名人であれば、そうはいかない様です。公共性という文字を背中に背負ってますから。

一般のビジネス・パーソンと比べるとすれば、多分彼がやったことって、顧客の目の前で全裸になって奇声を発したのと一緒なんでしょうね。それをやっちゃったら、やっぱり一般人でも笑って済ませる話じゃなくなりますし。あー、いや、それ以上か。CM打ち切りとかありますから、大きな損害を被った企業なんかもありますからねぇ・・・

しかしまあ、他人のことは厳しく怒るのに、身内には甘いことってあります。地デジ推進のキャラクターだった彼が逮捕されてしまったので鳩山総務相は「最低の人間」などといってカンカンの様ですが、中川前財務相が国際舞台の席上でやったあのヘロヘロ会見に対しては、同じ様に怒れないみたい。さっきテレビの「とくダネ!」で小倉氏がそれを言ってて思わず笑ってしまいました。

兎にも角にも、草彅さんには反省して今後も頑張ってもらいたいものですが、それ以上にマイクロソフトさんにはいち早く「草彅」の「なぎ」が簡単に変換できる様に頑張ってもらいたいものです。

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再びバラマキ対策

さすがにちょっと、これはキツイかなぁ。

少し前、「景気対策がバラマキと呼ばれる理由」では、財政のことあんまり考えずに「消費税無料にしちゃえば?」なんて呑気に話してましたが、ちょっと今度の15兆円規模の経済対策には、正直懸念してしまいます。バラマキって呼ばれても仕方がないかな。つか、選挙対策用のバラマキでしょ。経済対策の内容が、子育て支援も雇用もエコも景気刺激も金融対策も、全部やっちゃいますよって大盤振る舞い過ぎです。

組織運営で言えば、「多額のお金を多方面に注入して利用すればその組織が再生復活する」と言う考えは、もう議論する余地もなく愚策です。力は分散させるだけ効果はなくなりますから、出来るだけ集中させて取り組む必要があります。だから、こういった経済対策のとり方って、正直ホント難しい。

いやね、確かに子育て支援もエコも景気対策の一環にはなりますよ。子育て真っ最中の家庭ともう子育てが終わった家庭で比べた場合、同じ金額のお金であっても、子育て家庭の方が消費に回る可能性が高いわけですし。エコだ!エコだ!と騒いだところで、結局のところ新製品購入やら新システム導入と言った消費刺激の側面がそこにはあるわけですから。一概に、子育てやエコは福祉であって経済対策じゃねーだろ、みたいな議論には繋がりません。

でもね、セグメントを増やせば、その分だけ資源は分断します。資金も労力も分散するわけです。本当にその対策が有益な資金効率をもたらすかと考えたら、首を縦にはふれない。

経済対策の内容を見ると、なんだかんだ言いつつ結局はエンドユーザーに金がまわっていく比率が高いわけです。一応お題目が分かれていますから、この経済対策で恩恵を受けるのは子供のいる家庭や住宅購入者、高額相続税納付者などに限定されているのかなと思いがちですが、新車やエコ家電購入者やら中小企業、介護、雇用などなど・・・と、ここまで広範囲に対策が採られるのであれば、かなり広範囲にわたってお金がエンドユーザーにまわっていくことになりそうです。

でも、それなら先のバラマキ給付金と合わせて直接国民一人一人にお金を渡しちゃえば?って思うわけです。財政出動する場合、その金は官僚の天下り先であるナントカ法人に沢山お金がまわっていくわけですから、それなら迂回させないで直接消費者に渡してしまった方が良いんじゃないですかね。もちろん、そのナントカ法人が全て無用の長物ってわけじゃないでしょうけど、限りある資源を効率的に使うには、余計なところにお金がかかる事態は避けないと。

私も企業の建て直しに参加するときは、資金が注入される前に必ず財務状況を確認して、ムダを処理するように努めます。経営の上手くない会社って、かなりの確率で無駄なところに経費をかけてたりしますから。そして、削減だけじゃなく使い道も分散させずに集中させます。資金効率を最大化していくにはそうするのが常套手段ですから。もちろん、軋轢は生じます。でも、そうやらないとせっかくの限られた資金が非効率にしか運用できなくて、結果的に企業再生が上手くいかなくなります。集中と削減が、資金投入の際には大切になってくるわけです。

だから、そういった意味も含めて考えてみても、色んなセグメントに手を出しすぎちゃ、逆に問題解決の本質からは遠のいてしまうわけです。

しかも、大盤振る舞いして15兆円使って、その財源が赤字国債に頼るって・・・いずれお鉢は私たちに回ってくるわけですから。税収が減る可能性がある中、赤字国債が増えると、その比率が逆転するかもなんて言われてるのに、借金増やして支出も増やして、じゃあリターンがどのくらいになるのか見込んでるんでしょうか?どこで何を使って、どこは抑えるかってことをハッキリさせて取り組まないと、いずれ私たちの首が回らなくなっちゃいます。

今一番大切な政治的判断と言うのは、まず優先順位を付けることです。もちろん国家運営ですから、どれかを切捨てすれば良いって問題ではありませんが、モノゴトには順序というものがあるわけで、現実的な問題解決を実行するには、優先順位をつけて取り組んでいかないと。優先順位を付けるというのは、どのセグメントが優れててどれが劣ってるかということではなく、長期的に見て全体の結果が最適となるように順番を付けていくという方法論のことですから。

あれもこれもやって、全部上手くいきましたってのは皆無に近く、どちらかと言えば全部上手くいきませんというのが、優先順位を付けない行動の行き着く先です。個人の仕事だって組織全体の活動だって全部そうでしょ。それなのに、国家だけは別なんでしょうかね?確かに全方面的な経済対策しちゃえば万人ウケしますから、これに野党が反対して解散しちゃえば与党側は有利に選挙を運べるかもしれません。格好の選挙材料にはなるでしょうけどね。でも、八方美人は嫌われちゃうぞぉ。

実際に赤字問題を抱えるこの国が生き残るために財政出動が必要なのであれば、最小の資金で最大の効果を発揮できる様に全力で取り組むことが必要であって、カネの量と配った先の数なんかじゃ、決してありません。ということで、今回の経済対策は、選挙対策面においては最適化されていても、その効率的資金運用の面からすれば問題大アリだと判断せざるを得ないかと。バラマキというのは的を得た表現みたい。

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なんだか違和感を感じる賠償命令:両親パチンコ中に幼児が事故死した件の判決について

両親パチンコ中に2歳児事故死、「店にも責任」賠償命じる : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

結局、パチンコ店は650万円の賠償だとか。

判決によると、大分市のパチンコ店に2004年6月、2歳の男児と女児がそれぞれの両親と入店。パチンコ玉を運ぶ台車に女児が乗り、男児が押して店外に出て、国道を横断中に乗用車にはねられて女児が死亡した。(中略)控訴審判決で牧裁判長は「夫婦でゲームに興じ、女児を6時間も放置した原告の責任が最も重い」とした上で、従業員が幼児の面倒を見ると伝えていた点などを踏まえ、同社にも過失があると認定した。

でもこれ、物凄く違和感が残るんですけど。

ぱっと見、この記事の印象は、「親である自分の責任はさておいて相手の親と店を訴えるなんて!」って思うんですが、まあ人間は自己責任バイアスを持ってますから、親御さんの立場になったら相手の責任を追及してしまう心理になってしまうのもわからなくはありません。

もちろん、店側にも責任があるんだろうな、ということも分かります。記事によれば裁判長は「幼児同伴の客の入店を許す以上は、幼児の監護を補助すべき義務があった」とのことで、当事者であるホール運営者やその従業員の立場からすれば、「不特定多数を隅から隅まで見落とすな」って言われてるみたいですから、そりゃねーよってことになりそうですが、社会的に見たら完全にそういった責任から逃れられるわけでもないですし、ましてや従業員が面倒を見ると伝えていたと言うことなんで、過失責任は問われても仕方がないかと。普通、こういった店舗では幼児を連れてきたお客さんには「当店では責任を負いきれませんので、お子様はお膝元に・・・」みたいなことは言うのが運営上のテーゼですし。もちろん顧客と店舗の力関係もあるんでしょうが、私の経験上でも、幼児を連れてくるお客さんがきた場合、最低でも店員には「親から子供が離れたら、出来るだけ目離すなよ」って、その度に言ってましたしね。

だから私が持つ違和感って、そこじゃないんですよねぇ・・・

上記の記事によると裁判長も「夫婦でゲームに興じ、女児を6時間も放置した原告の責任が最も重い」と言ってるわけですよ。つまり、比較の上では責任の軽いはずの方が責任の重い方に対して賠償金を支払うという矛盾、最も責任の思い人間が賠償金を受け取れるという矛盾。ここに物凄い違和感を感じます。

私は法律の専門家じゃないんで、良く分からないんですけど、このケースの場合、亡くなった子供の親御さんを訴えることができる人っているんですかね?仮に誰かが訴えることが可能な場合、親御さんは自分のお子さんを亡くしたことに対して最も重い責任があるわけですから、当然それに対する賠償金は支払わなければならなくなるんですよね?確かにお子さんを亡くした悲しみは他には変えられないほどの痛みなんでしょうが、でもその原因を作った最も大きな責任自分自身にあるわけですから、他者が賠償金を支払うのであれば自分自身もその賠償責任を担わなければいけない責任が自動的に生じるんじゃないんですかね?でも、それを受け取る人って?受け取れる権利のある人って?

なんか、すっごい違和感。不均衡と言うか不公平と言うか、パラドックスというか、バランスの悪さから来る不快感が残るんですけど。個人的な正義欲は満たせても、社会正義に対する公正さはどこにあるんだ?という疑問を引きずったままです。こういったことって、ある程度は白黒ハッキリつけとかないと、今後似たようなケースが続出したり規模が大きいケースに出くわした時に、社会的に禍根を残す問題の様な。「あーそうなんだ。腹立つね」だけで終わっちゃいけないような気がします。

post by ノリユキ at 22:25 | Comments/Trackbacks(0)

北朝鮮、人工衛星の打ち上げ失敗!

というタイトルで騒いだ方が、国際政治上は得策なのかな、とふと思ったり。

昨日4月5日午前11時30分頃、北朝鮮より弾道間ミサイルと見られる飛行物体が、日本上空を通過し太平洋沖へと落下した模様です。まあ、この飛行物体がミサイルなのか人工衛星なのかは見解が分かれるところですが、それ以上に北朝鮮への今後の対応に対して、各国意見が分かれてます。どの国も自国の利益を優先する必要があるんで、思惑が絡み合って、今後は展開していきそうです。

北朝鮮:ミサイル発射 日米英仏、早期に非難決議案 中露は慎重姿勢 - 毎日jp毎日新聞

ただ、どの国も人工衛星の打ち上げ失敗みたいなニュアンスの方が落ち着くんじゃないかと。もちろん、自分とこの領土の上空をまたがれた日本としては拉致問題等のこともあるし、「あれはミサイル!」として国際的に糾弾する方向に持ってきたいところでしょう。でも、これがミサイルだったと断定しちゃうと、「長距離飛ぶミサイル、成功しちゃた!」ってことになって、北朝鮮の国際的な影響力がアップしちゃうわけで。国際政治上の駆け引きにしても有利となる切符を一枚手に入れたことになりますし、兵器の輸出ビジネスにも有利になるわけです。

そうなると事実はどうあれ、やっぱり表向きは「衛星の打ち上げ失敗!」っていう側面をアピールしておいた方が、アメリカにしろ韓国にしろ、何かと都合が良いんじゃないかと。北朝鮮寄りのロシアや中国にしたって、ミサイルですって騒がれるよりは、まあ人工衛星ってことでお茶を濁してもらったほうが、何かと都合が良かったりね。

とりあえずこういった事が重なっていくと、日本では「軍事費を上げて、軍事力強化しようよ!」って方向に行くことは必至ですから、逆にそういった方向に日本が進んでしまうことが世界各国としては懸念材料として浮上してきますからねぇ。今後の展開は、各国とも慎重に対応していくことが望まれます。って、上から目線。

post by ノリユキ at 09:09 | Comments/Trackbacks(0)

無難にまとめただけの金融サミットG20が閉幕

クローズアップ2009:G20閉幕 火種残して協調 財政出動、実施で溝 - 毎日jp(毎日新聞)

今回の金融サミットにおける大まかな対立構造は、

  • 財政出動優先
  • 金融市場規制強化優先
  • 保護主義

の3つですが、単純にどの国が主導権をとりたいのかってことです。日米英の3カ国は財政出動を優先的に取り組みたい主張ですが、要するにこの3カ国はニューヨーク・ロンドン・東京といった世界を代表する巨大金融マーケットを持っている国ですから、マーケットに規制がかかることで国際金融における影響力が衰えることを懸念していることの裏返しです。逆にフランスとかドイツは、そういった力を削ぎたいわけで、マーケットに対する規制強化を優先的に行ないたいわけですし。また通貨機軸をドルから移行させたい各国の動きやら保護主義の動きなんかも相まって、今回の金融サミットでは、各国の利害調整が難しいところでした。

結果としては無難に、「保護主義は景気停滞を促進するから止めましょうね」的なところで終わってます。まあ、こういった感じで「なんとなく協調」路線を表面的に打ち出すことで、お茶を濁した感じで閉幕するのは致し方ないかと。何だかんだ言っても、この世界同時不況、世界金融不安の状況では、各国が協調していかなければこれを乗り越えるのは難しいわけで、各国が自己主張を強めすぎて利害対立を明確化することは、逆に不利益しか生み出さないですから。

しかし、実質的には目新しいことは何も決まらなかったG20ですが、気になってるのはやっぱり日本の影響力低下ですかねぇ。象徴的なニュースがコレ。

G20 日本の存在感低下を象徴?時計は北京時間:MSN産経ニュース

なんかサミットに置かれた時間を示す時計が、今まではアメリカ北東部・ロンドン・東京だったのが、東京が外れて北京時間に入れ替わっていたんだとか。麻生総理も日本の存在感を示したいところだったんでしょうけど、今日にも発射されそうな北朝鮮のロケット(ミサイル?)の件で各国首脳に協力を採り付けるほうに力が行かざるを得なかったみたいですしね。

まあ、今後の国際情勢によっても私たちの生活とかが大きく変わっていく可能性も大きいわけです。今にも北朝鮮から発射されそうな勢いのロケットが日本に落ちてこないことを祈るしことでしか対応できない今の自分らの状況を考えると、決して坂道を駆け上がるようには進んでくれない現代社会の中で、人事を尽くして天命を待つことが私たちに出来る精一杯のことなのかもしれないなぁ、と思うわけです。まあ、それはいつの世にも生きる術ですが。

post by ノリユキ at 11:58 | Comments/Trackbacks(0)

タレント知事が地方を救う?全都道府県知事タレント化計画

昨日、千葉県知事にタレントの森田健作氏が当選。100万票を超える投票数で圧勝だとか。

東京新聞:千葉知事に森田氏 民主推薦ら破る 知名度で100万票突破:政治(TOKYO Web)

ただまあ、こんなニュースもありますが。

現在も「自民支部」代表 「完全無所属」掲げた森田氏(MSN産経ニュース)

森田知事が今後どのような活躍をするのかは別として、最近タレントさんが圧倒的な県民の支持によって知事へと就任するケースが目立ってます。宮崎の東国原知事や大阪の橋下知事、少し前だと長野の田中康夫前知事。で、このタレント知事さんが県政に対する大幅な改革や産業促進を進めています。やっぱ、これからは無所属のタレント知事さんの時代なんでしょうかね。

地方の行政を大幅に改革しようとする場合、普通は大きな抵抗にあいます。良いか悪いかは別として、人は思っている以上に保守的ですから。外部の人間は常に変革を求めますが、内部の人にとっては今までと変わってしまうことに抵抗を感じるものです。ましてや、そこに利害関係が存在するのであれば、なおさらのこと。もちろん県行政であれば、その抵抗勢力の一角が、県政の実行部隊である県職員たちであったりもするわけです。田中前知事の名刺を県の職員が破ったりしていたのは、まだ記憶の新しいところです。

改革を行なおうとすれば、様々な抵抗をはね退けていかなくちゃいけませんが、口で言うほど易しくはありません。相当な手練者であっても、難しいと思いますよ。なので、改革者としては強力な後ろ盾が必要になってきますが、それをフルに活用できるのがタレント知事さんになるわけです。県民からの人気度、そしてメディアを呼び込むタレント性。この2つが、改革への大きな後ろ盾になります。

タレント知事さんだと、そうでない知事さんよりも、メディアを積極的に活用できます。活動の様子は、テレビを通して県民の皆さんの知るところとなるわけです。となると、簡単に知事になんて反発できません。我らが選んだ知事さんに反発するとは何事かと、県民の多くを敵にまわしてしまうからです。それは、県職員さんだけでなく県議員さんにも言えることで、人気者の知事さんに逆らうのは自分達の選挙にも響いてきますし、得策じゃありませんから同調姿勢を比較的示しやすくなるわけで。

これがタレント知事さんじゃないと大変ですよ。県の知事さんが何をやってどんな状況に置かれているかなんて、たいして報道されませんから。自分とこの地域の特産物を血眼になって売り込んでも、報道なんてほとんどされないし、気にも留めてくれない。テレビカメラが知事さんを追っかけてくれなければ、職員から名刺を破られようが無力です。今、県行政では何が行なわれてるなんて、県民には露ほども知られません。

選挙は人気投票ですが、タレント知事さんはその人気にメディアというツールが加わって、更に拍車をかけるわけです。そんな人気者に逆らえば自分にしっぺ返しが来るのは当然なわけで、抵抗勢力だって抵抗姿勢を示すには及び腰になりやすい。世の中、人気者に従うようにできてるんですねぇ。まあ、それが愚衆政治に繋がるんだと言えば確かにそうなんですが、逆説的に意欲と能力のある人気者が改革を促進しやすい状況においてくれるというのは、民主主義の良き一面でもあるわけです。永続的はちょっと困る気もしますが、一時的にはそんな状況が促進されるのって、地方自治にとってプラスに作用するんじゃないかと。

ということで、全都道府県知事タレント化なんてのは、どうでしょうか?どこの県に行っても、そこの知事さんはタレントさんってのは。もちろん、市区町村もタレント化を図ったりして。高齢者が多く、老人介護に力を入れたい地域のトップには演歌歌手が、若者を呼び込みたい地域にはCanCanの専属モデルがなっちゃうとか。まあ、今のは極端なんですけど、その地方が何をしたいかってのが知事さんのタレントとしての属性だけでわかっちゃうみたいな。もうこうなったら、ノリですね、ノリ。

「我が県は、教育に力を入れます。人間は腐ったミカンじゃないんだ」的な武田鉄也知事。もちろん、県名は3年B組に変更して、100回失敗してもめげずに101回目もプロポーズしちゃう様なチャレンジ精神を養うとかね。

「やっぱ日本をリードするのはオタク、サブ・カルチャーでしょ」的なショコタン知事とか。ブログ1日に100回以上更新した人は県民栄誉賞。県歌は彼女がリスペクトする松田聖子の「赤いストピー」。

井森美幸が県知事になったら、県民体操は彼女がホリプロ・スカウトキャラバンでレオタード姿で踊ったあの伝説のダンスかな。ある意味、笑いの絶えない県になりそう。そして、江頭2:50知事とダンス・バトルを繰り広げるんだ。

野球選手を引退したら、イチロー選手もいいかも。県議会はナリーグとアリーグの二院制にして、ユンケルの工場と本社を県内に誘致します。たまにゴジラ松井知事の率いる県や松坂知事が率いる県とで、県の特産物を競い合ったりして。

もう難しいこととか考えずに、単にノリだけで県政をやっちゃうのも良いかもしれません。いや、良くねーか。

post by ノリユキ at 23:26 | Comments/Trackbacks(0)

ビジネスライク化する振り込め詐欺

「だまされたふり作戦」逆手詐欺 : 埼玉 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

最近、振り込め詐欺に騙されたふりをして逮捕に結びつけるという対策が行なわれていますが、今度はそれを逆手に取ろうとした詐欺。まあ、あえなく御用となったわけですが。

しかし、最近の振り込め詐欺はその手法が巧妙化しているだけでなく、詐欺集団がビジネスライク化しているとのこと。NHKでしたっけ?少し前に特集やってましたが、詐欺のリーダーらしき人物へのインタビューなんか聞いてると、もう詐欺というよりビジネスについて話してるって感じ。彼ら自身が、自分達のやっていることを、詐欺行為というより1つのビジネスとして捉えているような印象です。

リーダー格の人間は、格下の仲間を「社員」と呼び、マニュアルやら社員教育にも力を入れています。人材の確保にも余念が無い。

彼らによると、今のこの不況下がビジネスチャンスなんだとか。内定取り消しも含め就職難の時代、優秀な学生達が職にあぶれるわけで、そんな人材を自分らの仲間に引き入れるまたとない絶好のチャンスが今。詐欺集団のリーダーは、「他者よりも努力をし、他者よりも有能であるにもかかわらず、時代背景によって不利益な環境を被り不満を持っている人間は、頑張れば人よりも稼げるんだという環境を与えれば、やるよ。そういった将来の幹部候補生が、今はウヨウヨいる。宝の山だね」そんな風に言ってました。まさに、ベンチャー企業の社長さんや人事担当者が言いそうな台詞。

しかも、派遣切りにあって食う金も住む場所もない「出し子」予備軍も、豊富に揃ってるのが今の現状。こういった出し子予備軍にはお誘いのメールが度々来るらしく、しかもそのお誘いメールの内容も、「どう?やらない?」的なフランクなものではなく、まるで企業が求職者を扱うようなビジネス的なメールのやり取りがなされているみたい。メールだけじゃなく、お誘い電話もビジネスライク。

ただ、いくら職にあぶれていたり社会に不満があるからといって、誘いに乗って簡単に犯罪に手を染めるものなのか?という疑問が。そこを取材者が詐欺集団のリーダーに尋ねたところ、「みんな自分を正当化するんですよ。振り込め詐欺をやる正当な理由を、自分の中で作り上げる。食っていくためだとか、家族のためだとか、そんな理由をね」といった感じの答えが。完全に、人間の深層心理を捉えてます。自分の経験の中で掴んだ人間掌握術というよりも、きちんと人間心理を学んだ人の発言。いや、その両方かな。

言い方は悪いですが、発言内容だけをとってみればビジネス・パーソンとして割と優秀な人間がビジネスとして組織をつくり、詐欺をビジネスとして行い、ビジネスとして発展させようとしている感が漂っていました。一般的な中小企業でも、ここまでビジネスライクに経営活動できているところって、意外とそんなに無いし。恐らく振り込め詐欺集団は今後、振り込め詐欺だけに留まらず、様々なことに手を出していくでしょうね。犯罪だけじゃなく適法な事業にも手を広げていく可能性は大です。もし、適法な事業で幅広い利益を得るようになってしまったら、詐欺集団としての本質は仮面の奥に深く隠れてしまい、より複雑化してしまう可能性が。他企業が攻めづらいグレーゾーンをより強力に攻め、発展していく企業が今後誕生していくかもしれません。

post by ノリユキ at 10:16 | Comments/Trackbacks(0)

グローバル化の中で、自分の姿を映し出しつつある中国

中国対日観:「恐るべし、ニッポン」―浅薄な「愛国」を批判 2009/03/23(月) 20:14:00 [サーチナ]

この記事は、中国インターネットメディア「千龍網」が、湖北省武漢市の桜園で和服を着て記念撮影しようとした母子が周囲から罵声を浴びせかけられた事件に対し、日本の民度の高さを引き合いに出した上で浅薄な自国の「愛国主義」を批判した、ということを伝えた内容です。

私は、この「千龍網」が、メディアとしてどんな位置付けにあるのかも知らないですし、原文にもあたってない(あたっても中国語は読めないし)のでこのコラムを受け売りして判断するしかありませんが、まあ日本のことを高評価してくれているのを目にすれば、日本人として気分は良いです。ただ、それとは別に、中国でも対日感情に対するというか、そういったものも含め民度に変化があるのかな、と感じる内容でした。

戦時中の記憶による根強い反日感情が中国にあるのはわかりますが、その反面、90年代の初頭は中国で日本および日本人へ過大ともいえる人気があったことを私は記憶しています。日本人というだけでモテた時代もあったわけで。もちろん、その後の(もしくはその最中の)中国の教育と、経済力の高まりとともに自身に自信をつけたその心理的状況の反転性が、現在の大きな反日感情を持つに至ったわけで。

しかしその中国が、自国民の行動に対して、こういった批判を述べる。しかも、日本の良さを引き合いに出して。むしろ、こういった意見が公にされていくこと自体に、まあ日中関係の良好な進展が中国自体にもプラスに作用するであろうという政治的判断も含め、中国自身の民度が上がりつつある兆候を感じます。

グローバル化は何も経済だけで行なわれているわけじゃなく、スポーツをはじめとして社会と人はグローバルに交流が行なわれています。しかも、中国国民にとっては経済発展とともに、直接およびメディアを通して、その様を直接および第三者として目にする機会が増えました。その時に己の行為は、他者・他国の行為が鏡となって映し出されていくわけです。そしてそこに自己反省が促される要因が見て取れます。つまり、自浄作用。結果、中国としてはグローバル化は経済発展だけでなく、自ずと民度を高めることにもなっていきます。

中国人は、砂であるとか、一匹の龍になれるが三匹集まれば豚になるとか。飛びぬけて優秀な人材を出すがまとまりにかける中国人ということをなぞった言葉だそうですが、そういったことを踏まえるならば、むしろ中国の民度が上がることの方が「恐るべし、中国」であると、エールを贈りたい。そんな感じです。

post by ノリユキ at 12:35 | Comments/Trackbacks(0)

景気対策が「バラマキ」と呼ばれる理由

スーパー各社では、値下競争が本格化してます。もちろんこれは、これから支給される給付金を「ウチの店に落としてくれ!」というのが狙い。これらの動きを見ても分かるとおり、いよいよ給付金の支給と高速道路料金1000円といった景気対策が本格化します。でも、これらの景気対策って「バラマキ」と呼ばれることが結構多い。もちろん、国民から集めた税金を国民にばら撒くってことで、バラマキと言われてるんですが、そこには揶揄する意味が含まれています。なんで?

もちろん、このバラマキが景気対策に結びつくかどうか疑問符が付くからです。単に内閣支持率アップを意識しただけのバラマキ政策なんじゃないかと。じゃあ、本当にこれらのバラマキが景気対策に効果が薄いんでしょうか?私は専門家じゃないんできちんと計算してるわけじゃありませんが、個人的な意見としては景気対策としての効果は少ないと見ています。なぜなら、経済不安のベースとなる部分と給付金や高速料金値下によって生まれる効果の部分がかみ合わないからです。

今回の世界同時不況は、震源地はアメリカの金融市場です。ただ、日本の場合、国内金融機関の打撃は他国から比べ少ないわけで。本質的な部分での日本の景気後退の原因は、外需の低迷です。つまり、自動車や電化製品による輸出産業の低迷なわけです。ですから、エンドユーザーを対象とした企業では、まだ元気なところが多い。ユニクロも居酒屋チェーンのワタミは過去最高益ですし、タスポ効果もあってコンビニ業界も調子は良い。楽天だって営業利益は好調ですし、東京ディズニーランドだって好成績を記録しているわけで(もちろん地域格差というのがあって、例えばトヨタなどの工場労働者による消費割合が大きい地域の外食産業などは大きな打撃を直接受けているとは思いますが、日本国全体の傾向を考えた場合の話をしてます)。問題なのは、外需産業における派遣切りやら減給に端を発する消費減速、また景気後退不安から消費を控える傾向、それらが拍車をかけ、ジリジリと社会全体に景気後退の波が押し寄せていくことです。

では、この様な構造を持つ景気後退に対して、どの様な処方箋を打つべきかと考えた場合、最も大きなケガの元となっている部分に手当てが必要なわけで、真っ先に必要なのは外需産業における業績低迷への対策、その次に雇用対策ということになるんじゃないかと。そう考えると、一人当たり12,000円の給付金がどれだけ効果を発揮するんでしょうか?

個人に12,000円を給付しても、一体何に使うんでしょうか?その多くが、「何に使ったかわからねー」ってな感じじゃないかと。で、その何に使ったかわからねー消費の内訳といえば、居酒屋で一杯やったとか、コンビニで弁当買ったとか、スーパーで高いお肉を買っちゃったとか、洋服を新しく買ったとか、ネットショップでいつもより買い物しちゃったとか、ディズニーランド行っちゃったとか。何だそれ、まだ元気な業界・企業にばっかお金落としてんじゃんっ!みたいなね。金と時間のあるヤツは、円高差益を狙って外国の免税店で金落としてきそうだし。要するに、ケガした周辺に影響が出ないようにケガの周りばっかりに薬塗って、それで安心できんのかよ?ってのが私の見解なわけです。そう考えると、もっと別な方法で政府は金を使った方が良さ気な感じがしてきませんかね。

例えば、一説によれば霞ヶ関の埋蔵金を使えば1人当たり7万円くらいは出せちゃうという話もあります。そのくらいの金額であれば、比較的高額な電化製品なんかにも目が行くはずです。テレビ買い換えちゃおう!とかね。12,000円くらいだと日常品の購入やサービス産業への消費くらいにしか目が向かないって。ただ、これだとまだ弱いんですよねぇ。外国でブランド品買ってきそうだし。となると、商品券か消費税を一時的に減額するかストップするかですかね。これだと国内消費に絞られます。でも、一番効果があるのは消費税を一時的になくしちゃうことかな。

このままで行っても、いずれ消費税率をアップしなくちゃいけないのは免れないことです。だったら、2年くらい消費税をゼロにして、3年後には5%に戻し、5年後にはさらに増税。そんな風に段階を付けていけば、消費の前倒しが起こります。消費税が安いうちに買わなくちゃ!ってな感じで。アメリカの不良債権処理が3年かかるとして、経済不安から脱するのに3年あたりを目標に政策やらを積んでいけば、結構スムーズん行くんじゃないかと。しかも消費税は率での徴収なので、より高額商品の購入に目が行きます。つまり、日常品の購入よりも、テレビや自動車の購入の方がお得感丸出し。そうなれば、大怪我の根を直接治療までとは行かなくとも、漢方みたいに自然治癒するための下支えにはなるんじゃないかと。

まあ、私は財源の確保などのことは全く考えずに言ってるだけなんで呑気なもんですが、単に12,000円を個人にばら撒くというよりは効率的な対処になるんじゃないかと。給付するにしても、もう少し不況の構造を配慮した上で、慎重な使い方を検討すべきだったと思います。バラマキなんて言われないためにもね。

post by ノリユキ at 11:01 | Comments/Trackbacks(0)

ifでAIGを囲って、過度な実力主義の弊害を考える

1800億ドルという公的資金を受けておきながら、多額のボーナスを幹部社員に支払ったAIGですが、その倫理観やら社会性に関する問題はちょっと棚上げしておいて、というか視点を変えてみて、今回はその件からふと思った組織的矛盾について記しておこうかと。具体的なAIGの内情を知らない私が、「if」論で勝手にAIGの抱える問題点を想定し、そこから一般化できそうな問題点を考えみるつもり。

私は詳細を目にしていないんで良くはわかりませんが、AIGはひょっとすると収益に対する分配や契約上の面で問題を抱えているのかもしれません。メリルリンチも以前同じことをやっていますから、高額なボーナスを払ったらどうなるかなんて想像はつくはず。なのにやってしまうということは、社内的な事情があるのかも。

会社全体で見れば巨額の赤字や負債を抱えているにしても、個別に見ていったらどうでしょう?多額の収益をもたらしている部署があるのかもしれませんし、物凄い利益をもたらしている営業マンやらトレーダーがいるのかもしれません。彼らにはそれに見合った待遇をしなくちゃいけません。例え今回のリーマンショック以降に巨額の損失を被っていたとしても、ボーナスの支払い条件がそれ以前から定められていたのであれば、それに従って払わざるを得ないでしょう。

仮に高額ボーナスを手にした幹部社員らが、AIGの大赤字を生み出した張本人であったとしても、今回の金融不安は業界ならびに社会全体によるものですから、個人の能力とは別だとも考えられます。損失を起こしたのは個人の裁量に起因するのではなく、金融市場が抱える構造的な問題によって引き起こされたとするのであれば、今後の会社の復興、また金融市場が以前の様な活況を取り戻した際に必要なのは、彼らの実力です。となれば、彼らを失ってはいけないとするのも経営判断としてある意味マトモです。そのためには、多額のボーナスを支給するのもやむを得ない・・・そう考えるのも無理はありません。

もしそういった背景がAIGにあるのであれば、経営者は政府や議会、世論から非難罵声を浴びるのを重々承知で、自分とこの幹部社員らに多額のボーナスを支払う判断をしたのかもしれません。まあ、ポーズとしてそうしておけば経営陣は後から「ほら、怒られちゃったからやっぱ払えないよ。わかってよ、俺も辛いんだよ」的なアプローチが社内向けに出来るでしょうし。

さて、ここまでAIGの多額ボーナス支給問題を元ネタに「もし仮に」論を展開してみました。こういった仮解釈の様な事態がAIGでホントにあるのは知りませんし、もちろん、仮にそうであっても今回のAIGの様なケースでは、社内の事情がどうであれ、社会からは怒られて当然です。しかし、こういった社会性を重視してしまえば、逆に社内、というか優秀な社員には不満が募るという矛盾が残ります。なぜ、こんな矛盾をはらんだ状況になってしまうんでしょうか?

その矛盾を引き起こす大きな要因の1つには、過度な実力主義が背景にあるんじゃないかと。確かに優秀者個人の業績は会社に利益をもたらします。しかし、彼らの業績がイコール会社の業績とはならないのが、現実です。ですから、各個人の業績に合わせて収益を各個人の給与等に分配するシステムを突き詰めてしまうと、問題点が生まれてきます。これを2つの点に分けて考えると、以下の様になります。

まず1点目は、社員への報酬という面において、リターンとリスクのバランスはとれているのか、という問題です。大きな利益をもたらす社員には大きな報酬を、という成果主義の発想自体は良いかもしれません。でもそんな社員が必ずしも常勝全勝するわけじゃありません。じゃあ損失を出した場合、誰がその穴埋めをするのか?その社員がするんでしょうか?仮に前年度100億円の利益を出した社員が、その報酬として3%である3億円を手に入れたとします。しかし今年度で100億円の損失を出した社員は、その損失額の3%を自己負担するんでしょうか?前年度に対して減給となったりはするでしょうが、損失分の3億円を支払えってことにはならないはずです。

つまり社員は、大きなリターンは望めても、それと同等なリスクを背負うことは無い、という事です。金融トレードであれば、損失リスクを最も負うのは顧客、その次に企業であり、トレーダー本人が背負うリスクは最も小さい。こうなったら社員としてはやりたい放題です。大きなリスクがあっても、それを自分が大きく背負うわけじゃありませんから、リスクが大きくても逆に大きなリターンを望める商品をジャンジャン出していくでしょうし、それによって目先の大きな利益獲得に奔走します。悪く言えば、直ぐに大きな報酬を手に入れてしまえば、後は知ったこっちゃないってことです。だってリスクは顧客や会社が背負っちゃうんだもん。状況が悪くなったら一抜けすれば良いんです。それまでに一生遊んで暮らせる様な大金を出来るだけ早く出来るだけ多く稼いじゃえば良いんですから。こう見ていけば気がつくと思いますが、業績に対して報酬額が増えれば増えるほど、一見生産効率は上がるように思えますが、本質的には社員が自己本位な目先の利益獲得に走りやすい状況を作り出すわけで、その背後で企業はより多くのリスクを背負うはめになっていくわけです。

また、従業員同士の成果差異による収益分配のバランスをどう解消していくかという問題もあります。Aさんが利益を上げたとしても、Bさんは損失を出すかもしません。Aさんが前年度比+10億円の利益を出し、Bさんが前年度比-10億円の損失を出せば結果として収益はゼロになりますが、成果主義の場合Aさんへの報酬を増加しなければなりません。じゃあ、Aさんへの報酬増加分だけBさんが減給されるのか?一人あたりの売上や収益金額が小さい場合はそれも可能でしょうが、その額が大きくなればなるほど不可能になっていきます。こうなると、バランスを欠いた部分の負担は企業側が負うということになるでしょう。

これらのことは、企業としての長期的利益を失っていくという結果に繋がります。いや、利益を失うというより、やればやるほど企業側が多大なリスクを背負い込むことになるわけで、アメリカの各金融機関における信じられない様な巨額な赤字・負債額はこれに端を発している可能性が非常に高いわけです。利益を社員に分配する際、リターンだけではなくリスクの分も考慮していかなければ、長きに渡る経営活動は出来なくなると考えたほうが良さそうです。

さて、2点目は、個々の業績の総和が企業全体の結果とはならないということです。営業利益が前年度比で大きくプラスであっても、例えば資産運用の失敗や災害、貸し倒れ等の損失を多額に被る場合があります。営業等の現場サイドの問題ではなく、経営者自身による経営戦略上の問題から企業の業績が悪化するケースだってあるわけです。個々の従業員が頑張ったところで、その全てが企業全体の利益として反映されるわけじゃありません。

ですから、個々の業績の総和と、実際の企業総体の収益に開きが出れば出るほど、矛盾に苦しむわけです。例えば、営業利益自体が、前年度比+10億円の20%増だとします。しかし、何らかの損失が加わって経常利益が薄利もしくは赤字とならざるを得ない場合、多額の人件費支払いはかなりの負担になっていくわけです。

もちろんこの場合、従業員に問題があるわけでなく、多くの責任は経営者自体に問題があるケースがほとんどです。ただ、先にも述べたとおり、リスク自体は社員ではなく会社自体が多く背負っていることがほとんどですから、個々の業績を個々の待遇面に大きく反映させればさせるほど、経営全体の業績が悪くなたっときに、苦しくなります。

以上の点から、成果主義・実力主義を導入していくうえで、その度合いやバランス感覚が重要になることがわかります。成果による報酬を過度にすればするほど、リスクは会社自身が背負うことになるわけです。企業の生産性を高める戦略において、「成果に対する報酬」という点を過度に実行するには大きなリスクが背後に控えているという点を考慮しつつ、成果主義の改善また経営戦略の改善を行なっていくことが必要です。no

post by ノリユキ at 17:50 | Comments/Trackbacks(0)